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美山町   越前若狭ふるさとリポート  
  美山町 劇のある町美山 美山町
  木ごころ一座の活動    
 
ホール落成と木ごころ一座の誕生
集合写真 美山町は、人口5300人の小さな山あいの町。そんな山あいの町に23億3千万円もの巨費をかけて、素敵な文化ホールができた。510席のキャパシティ。ホールの他に図書館、町民交流館、野外イベント広場も併設されている。これらを総称して「みやま木ごころ文化の郷」とネーミングされた。時に平成9年10月のことである。
 「みやま木ごころ文化の郷」にどんな特徴を持たせるか、関係者と議論を重ねた結果「民話の里」にしようと決まって、落成式のこけら落とし公演に、民話劇をする事になった。しかし、肝心の劇団員をどう集めるかが問題である。館長自らの手書きの広報誌「木ごころ」が週刊で発行されて、町民からの公募が始まった。「こけら落としに美山の民話劇。あなたの力を町づくり、劇作りに生かしてみませんか。まんが日本昔話の常田富士男さんといっしょに出演できるよ」等の見出しをつけて、町内全世帯に配布した。その後も団員の応募状況、演出家のメッセージ、町長あいさつ、新聞報道の記事等をどんどん広報していった。
 広報誌の効果は絶大で、町民各層からなんと79名もの応募があった。子供31名中、親子参加が11組もあった。
 「美山生まれの民話劇を、美山の劇団が、美山の劇場で」をキャッチフレーズに取り組んできた劇団も、ようやく骨格が出来上がって、いよいよ中身の充実である。
 
子供たちの変容
 オーディションを兼ねた初顔合わせの席上、子供たちは「主役をやりたい、長いセリフの役をやりたい、おもしろい役をやりたい」等様々な思いを出してきた。
 出演の今成友見氏は「主役とは、自分に与えられた役になり切ること。お芝居づくりは団員が力を合わせ、自分の長所も短所も総てを出し切って、一緒に汗をかき、苦労し、笑って頂上に行き着く登山と同じです」と指導した。
 長丁場の稽古に耐えて、旗揚げ公演を成功させた子供たちは大きく変容していた。それは学校でも家庭でも味わう事のできない心の琴線に触れる感動体験であり、生命を動かす表現活動であったのである。「全身全霊で立ち向かうことが、自分の主役になること」という演出家の信念を表現できたということである。子供たちは大きな自信を得た。
 
木ごころ一座の遊び心
 子供も大人も含めて「木ごころ一座」に一貫して流れているのは団員の遊び心である。それが端的に現れたものが、手づくりのチケットである。檜をスライスして印刷した木のチケット、天然記念物のタラヨウの葉を利用した入場券、シルクを草木染して地元の画家に絵を描いてもらったもの、手すき和紙のもの、透明のチケット、刺繍したチケット等々苦労と時間を要するが心を込めて作り上げている。観客からも好評を得ている。
檜のチケット
檜のチケット
タラヨウの葉のチケット
タラヨウの葉のチケット
刺繍したチケット
刺繍したチケット
檜のチケットづくり
檜のチケットづくり
透明のチケット
透明のチケット
 
木ごころ一座の演目
 木ごころ一座は、7回の公演を終えた。その演目は「きごころチャチャチャ」(平成9年)「オカリナのなぞ」(平成10年)「みやまの森のシンフォニー〜ひねだんご三兄弟の決意〜」(平成11年)「かぐや姫がやってきた」(平成12年)と公演し、第5回からは、脚本も演出も独立して団員のみでやっている。「葉っぱのフレディ」「美山のぼけ太郎」(平成13年)「足羽川の龍姫」「パックといっしょに大冒険」(平成14年)「朝から晩げまで」「バースデーは大騒ぎ〜魔法学校ストーリー〜」(平成15年)
 木ごろ一座の活動は、町内外に大きなインパクトを与え、一座の後継者も着々と育ってきている。
かぐや姫がやってきた
かぐや姫がやってきた
オカリナのなぞ
オカリナのなぞ
ぎよんどぎつね
ぎよんどぎつね
 
木ごころ一座の発展と町づくり

 更に、木ごころ一座のスタッフたちは、様々な活動を始めている。それを列挙すると次の通りである。

  1. 美山に在住し、美山の風景のみを描き、世界的画家である豊田三郎画伯を支える「黎明(れいめい)会」を結成し、個展を開いたり、画集を発行したり、美山の風景を県内各地から写生をしにきてもらう「ふるさと美山スケッチ大賞」のバックアップをしたりしている。
  2. 美山錦という酒米を生産し、美山の美しい水で仕込んだ地酒「黎明」を醸造し、螢見会、川床などでの楽しいイベントを計画している。本年はこの美山錦でパンも製造した。
  3. 美山唯一の文芸誌「でんぼろ」を年2回発行している。
  4. 「みやま未来塾」を結成し、教育、産業、交通、環境、歴史等の町づくりのための勉強会を自主的に運営し、町内へ提言している。
  5. 蔵作という1集落にお婆ちゃん劇団「ババーズ」を作り、老人たちを生き生きと蘇らせている。
木ごころチャチャチャ
木ごころチャチャチャ

 以上のような楽しいイベントや交流の中で美山町がますます発展していければ、と思っています。