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松岡町   越前若狭ふるさとリポート  
  松岡町 古墳を活かしたまちづくりに向けて 松岡町
  まつおか越の国伝説  
 
古墳のまち まつおか
 松岡町は、越前平野の東端に位置する人口約1万1千人の町です。平野を一望する山々には北陸有数の古墳群を抱え、千数百年前の越の国を治めた大王たちの古墳とされる貴重な遺産があります。この歴史遺産を守るとともに、内外にその歴史的価値を伝え、深めようと、平成4年度から「まつおか古代フェスティバル」として古墳をテーマにしたイベントを始めました。
 

まつおか古代フェスティバルから

 イベントのきっかけは、平成3年度に手繰ケ城山(てぐりがじょうやま)古墳、二本松山古墳などの古墳群を巡る遊歩道が整備され、誰もが手軽に古墳群を探訪できるようになったことです。このためイベント初期である平成4年度から平成7年度まで(第1回〜第4回)は、古墳群を巡るハイキングと、各古墳の上で行われる催しが中心でした。その催しの内容は、松岡町役場を出発して、クイズを解きながら各古墳を巡り、二本松山古墳山頂で、実行委員会スタッフが用意した「古代汁」の昼食をとり、その後山頂で、火おこしや弓矢などの「古代体験」や「大声絶叫大会」、「宝さがし大会」などを行い、下山後、ふもとの乃木山(のぎさん)古墳で「古墳の上のコンサート」が行われるというものでした。
 
まつおか越の国伝説へ
南国との交流を再現 沖縄エイサー公演
南国との交流を再現 沖縄エイサー公演
古代イベント「石棺運び」
古代イベント「石棺運び」
 平成8年度の第5回から、これまで以上に松岡の古墳群の歴史的価値を掘り下げ、より多くの人々に参加してもらおうと、2日間にわたり開催するようになりました。特に平成8年度には、「継体大王と越の国」をテーマにしたシンポジウム、地元住民と東京のプロの舞踏家の合作による舞踏公演「越の国伝説」、石棺のレーダー探査などを加え、イベントの規模が飛躍的に大きなものとなりました。また、第1回から、イベントに取り組む実行委員会委員は新聞等を通じて募集し、ボランティアスタッフで構成されていますが、平成8年度(第5回)のときの反響は大きく、大学生や主婦など町内外から約70名が集まりました。
 実行委員は、イベント内容の企画・運営から舞踏公演への出演、資金の調達など、主体的、精力的に取り組んでくれました。この時の取組みがベースとなって現在まで続いています。第7回では、石棺運びを再現するようになり、松岡公園に野外ステージを設置し、古代体験コーナーや模擬店による「古代村」をスタートさせました。第8回からは、イベントの名称を「まつおか古代フェスティバル」から「まつおか越の国伝説」に改め、継体大王時代の越の国の歴史ロマンをひもときながら現代に蘇らせるという方向へと移ってきました。そして、継体大王の南国(九州)や半島(韓国)との交流に着目し、「継体大王時代の日韓交流」をテーマにしたシンポジウムをスタートさせました。
「継体大王と越の国」をテーマにした舞台公演風景
「継体大王と越の国」をテーマにした
舞台公演風景
「古墳時代の加耶と倭」をテーマにしたシンポジウム開催
「古墳時代の加耶と倭」を
テーマにしたシンポジウム開催
(開催場所 福井県立大学福井キャンバス)
 
いにしえの国際交流の再現
韓国・高霊女子総合高校「加耶琴演奏団」による演奏風景

韓国・高霊女子総合高校
「加耶琴演奏団」による演奏風景

 平成13年度の第10回では、これまでの取組みの集大成として、松岡町の二本松山古墳から出土した鍍銀冠(とぎんかん)と韓国高霊邑(コリョンむら)の池山洞(チサンドン)古墳から出土した鍍金冠(ときんかん)の類似に着目し、当時の越の国の人々と加耶(かや)の国の人々とのいにしえの交流に学び、現代的な文化交流として再現することとなりました。シンポジウムでは、第8回の「古代史からみた日韓交流」、第9回の「考古学からみた日韓交流」に続き、「古墳時代の加耶と倭」というテーマで、韓国の研究者3名、日本の研究者4名により、最新の研究成果を持ち寄っての講演と討論が行われました。また、1千5百年前に加耶で生まれた加耶琴の音色を聞いてもらおうと、韓国・高霊女子総合高校の「加耶琴演奏団」を招き、シンポジウム会場や古代村会場で演奏してもらうなど、いにしえの国際交流を再現し今後の方向性をも示唆したイベントとなりました。
 
まちづくりに向け組織を再構築
古代ウォーキングでの発掘調査現場説明会
古代ウォーキングでの
発掘調査現場説明会
 第10回を迎えた平成13年度のイベントでは、越の国の王墓(おうぼ)を巡る「古代ウォーキング」の中で、「鳥越山(とりごえやま)古墳発掘調査現地説明会」も同時に行われ、古墳のもつ歴史的価値や、大陸、半島との交流のロマンなどをより身近に感じることができたのではないかと思います。
 これまでは、シンポジウムや古代体験など短期的なイベントで古墳の魅力、町の魅力をPRしてきました。しかし、短期的なイベントでは、まちづくりとしてのインパクトが強いとまではいえず、町民への浸透度合いも十分な効果が上がっているとは言えないと思われます。
 古代越の国を代表する古墳群について日常的に学習している団体があります。また、これまで「まつおか越の国伝説」を支えてきた実行委員会もあります。短期的なイベントでなく、年間を通して古墳のまちづくりを行い、松岡町をPRしてはどうかといった声もイベントに携わる方々からあります。
 こういったことから、今後は、「古墳を活かしたまちづくり」に向けて、まつおか越の国伝説実行委員会を中心に組織を再構築し、学術的・歴史的価値を広く伝えながら、古代体験などができる「越の国の里」づくりに向けて取り組んでいきたいと考えています。また、古墳にまつわる歴史的なつながりから、人的交流、文化交流などによる韓国などとの国際交流活動を行い、官民が一体となって松岡町のまちづくり構想を練り上げ、実現に向けて歩んでいきたいと考えています。
まつおか越の国伝説 会場図
まつおか越の国伝説 会場図