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| いまだて芸術館の概要 |
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| アートホール31 |
今立町は福井県の中央に位置する人口1万4千人の町で、「越前和紙の里」として知られています。今立町では、昭和51年に町の文化協議会が結成され文化・芸術に対する認識が高まり、昭和54年から始まった「現代美術今立紙展」を契機として様々な文化活動が盛んになっていきました。そのような流れの中で平成元年度の「ふるさと創生事業」においてIMADATE展とIMADATE第九演奏会を実施しましたが、その際に町民から自分たちの芸術ホールがほしいという強い要望が出てきたのを受けて建設に着手し、平成3年11月にオープンしました。オープンに当たり、愛称を町民から公募し、「アートホール31」に決定しました。なお、「31」とは31世紀のことで、31世紀まで続くような今立の文化・伝統を伝えていきたいとの意味を込めています。施設は客席600席の多目的ホールを持ち、他にホワイエ、楽屋、リハーサル室、調整室、チャイルドルームといった機能を備えた本格的なホールです。初代館長は川津祐介氏で、現在は教育長が兼務し、職員は副館長含めて5名ですが、“館を支える人々は町民だ”との考えをもって運営しています。なお、柿落としでは、「喜劇佐々木小次郎」という演目で町民演劇を公演しました。 |
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| 芸術館運営に際する基本的な考え方 |
| この芸術館の運営に当たり、建物も心も響き合うホールにするためにはどうしたら良いか考えたときに、文化を本当に楽しむには、まず、自然や環境が大切にされていないとできないことに気付きました。文化の館を企画運営するのは“主人公である”“地域の人々である”という考え方から、「自然と人間との共存」と「地域の人が主人公」という2つのテーマをもって運営しています。 |
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| 町民に任せるシステム |
また、芸術館では、「地域の人が主人公」という考え方から、「企画プロデューサー委嘱システム」と「技術スタッフ委嘱システム」という運営方式を採っています。これらはお手伝い的なボランティアスタッフではなく、企画運営技術を担うシステムです。
「企画プロデューサー委嘱システム」は、はじめに計画を持った町の人から企画提案書を提出してもらい、その提案が当町にとって大切なことかどうかを館で検討の上、該当すれば主催事業として認定し提案者をAP(アシスタントプロデューサー)に委嘱します。APは、その企画を実現するために実行委員会を組織し、当日までの企画・準備や当日の運営の責任者として活動してもらいます。
オープン以来、この10年間で150を超える企画が誕生し、延べ2000人が実行委員として活躍しています。(現在活動している主な企画グループ別掲)
また、「技術スタッフ委嘱システム」は、町の人に舞台音響照明などの操作を任せるシステムで、柿落としの町民演劇で技術スタッフとして働いたメンバーが中心になってAE(アシスタントエンジニア)が誕生しました。メンバーは開館した次の年、平成4年7月に募集し、16人が集まりました。職種は自営業、公務員、銀行員、電気屋、紙漉き職人など多岐にわたっていますが、全員が舞台技術の習得に熱意を持って励んでいます。
AEは、例会を開いて打ち合わせを行い、ホールの自主事業・貸し館事業の舞台のプラン・リハーサル・本番のオペレーターおよび演出を担当しています。また、舞台照明音響の県や全国の研修にも参加し、他の館の技術スタッフとも交流して技術の向上に努めるとともに、館で必要な備品の購入計画についても協力してもらっています。 |
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| APおよびAE制度の問題点 |
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| 今立現代美術紙展 |
このように、地域の人が主人公として活動してもらう制度によって、当芸術館を運営してきましたが、課題も沢山あります。現在直面している問題点として以下の点が挙げられます。
(1)APの課題
・企画グループが固定化してきており、新しい実行委員が育っていない。
・継続事業をなるべく優先しているが、毎回同じものをやっているため義務的な企画になりつつある。
・当初より事業のねらいを大切にしてきたため、内容は濃いけれど集客が望めない場合がある。
・芸術館全体のことを見て企画する人が少ない。
(2)AEの課題
・万が一事故が起きた時の責任の所在。
・他の企画の実行委員会に時間がとられたり、レベルが違い過ぎてついて行けない人がいるため、メンバーが増えない。新しいメンバーの育成をしていく事が大事。
・各メンバーの質の向上を図る必要がある。特にコンピューターに安易に頼ってしまい、基本的なことを身体で覚えようとしない人が増えている。また、各AEの特性に合わせた配慮が必要。
・技術にこだわり過ぎている。技術中心になると、出来不出来で競う恐れがある。 |
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| これから芸術館が行うべき大きな課題 |
| 「文化の振興」って何か、ということについて考えた場合、(1)文化・芸術を見たり聴いたりすること、(2)文化を探ること、(3)文化を創造すること、(4)文化を伝えること、などが挙げられると思います。最近全国各地に設置されているホールでは、文化・芸術を見たり聴いたり、探ったり、創造したりということについては熱心に活動しています。けれど、4つ目の文化を伝えること、これが抜けていることが多く感じられます。文化はふるさとにある物です。このそれぞれのふるさとにある文化をきちんと一人ひとりに伝えることが大切です。みんな自分のふるさとにある文化を探ることをしないで、他から来た文化を一時的な感動で受け入れている、日本の文化が崩れ、自然破壊も環境破壊も始まった。これからは何が大切かをもっときちんと考え、それをきちんと伝えるべきだと思います。
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| 最後に |
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どんな年齢の人も、健常者も、ハンディキャップを持った人も含め手を上げた人が失敗を恐れず堂々とやるというシステムを作り、実践していきたいと思います。ここには上手下手で判断しない。失敗したことをとがめないというルールがあります。その場合の失敗はすべて肥やしになります。それより自分たちは今、何のためにやっているのか。そのことで大切なことは何か、その大切な事はちゃんと伝わったかを大切にしています。
素晴らしい町の人がいる。素晴らしい企画を組む人がいる。素晴らしい技術を持っている人がいる。そのことをしっかりふまえ、すべて実験だと理解し許せるホールの職員がいる。すると、建物も心も響く素晴らしいホールになる。こんなホールを目指しています。
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| (別掲)(1)企画 (2)企画内容 |
| (1)今立現代美術紙展 |
| (2)紙を素材にした公募展 |
| (1)IMADATEクラシックを歌う会 |
| (2)わかりやすく楽しいクラシックの演奏会 |
| (1)よしもとお笑い今立道場 |
| (2)お笑い文化を町づくりに生かす |
| (1)シネフォリ映画サークル |
| (2)映画が伝えてきた文化を学ぶ |
| (1)ステラ座 |
| (2子供たちを主体とした創作ミュージカル |
| (1)表現教室 |
| (2)劇に必要な呼吸法・発声法を学ぶ教室 |
| (1)ハッピーチルドレン |
| (2)子供達に喜びを味わってもらおうと様々な活動 |
| (1)記録映画上映会 |
| (2)各地の生活文化を映像を通して見る |
| (1)いまだてクラフト展 |
| (2)紙織物などのデザインを考える |
| (1)織姫 |
| (2)町内産業の振興を図るファッションショー |
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