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| 息づく伝統文化を活かしたふるさとづくり |
越前焼のふるさと宮崎村は、福井県のほぼ中央・西よりに位置し、小高い山々に囲まれた人口4千百人余りの緑豊かな農山村です。
土壌分布は粘性土が多く、良質の粘土資源を利用した窯業がさかんで、古くは奈良時代から平安時代にかけて、古墳文化とともに発達した須恵器技術の最後の窯業地帯として多くの焼物を産出してきました。また、北陸の中世窯を代表する越前古窯の郷でもあり、多くの窯跡を残しています。
平安時代末期に始まる中世窯は、瀬戸、常滑、信楽、丹波、備前などの他の窯が古くから知られているのに対し、越前古窯が一般に知られるようになったのは、戦後、昭和23年に東京国立博物館の小山富士夫氏によって「中世の六古窯」として発表され、その存在が明らかになってからで、それまでは一部を除いて地元の人たちにも謎とされていました。以来、越前陶芸村の建設により全国から陶芸家が集まり、地元陶芸家も含め現在27の窯元が活動しています。越前焼は、釉(ゆう)薬をかけず、自然な土の感触を生かした作風が特徴で、そばを盛る食器や酒器など日常生活に適したものが多く作られています。
また、村のイメージを統一するため、役場庁舎、公民館、小・中学校等公共施設をワインカラーで統一している他、メインロードの歩道は陶板を使用し、民家も越前瓦の切妻屋根、白い真壁で統一し、互いに調和した景観を形成しています。さらに、陶芸の里にふさわしい美しい村をめざし、ゴミステーションのデザインを統一するなど、土と炎と緑のふるさとづくりに地域をあげて取り組んでいます。平成7年度には、「美しい日本のむら景観コンテスト」において、農林水産大臣賞を受賞しています。 |
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さつきあげ野点茶会 |
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| さつきあげ野点茶会 |
昭和48年に陶芸村内の「茶苑」の竣工を記念して煎・抹茶各流合同大茶会が開催され、これを契機に、翌49年から村主催の「さつきあげ野点茶会」が始まりました。
5月の田植えの後、疲れた体をいやしながら越前焼の器でゆっくりとお茶を楽しんでいただく、第2公園の新緑の中で催される野点は、越前陶芸村の初夏の風物詩になっています。席料は、皆様だれでも楽しんでいただけるよう、茶券600円で2席までご利用できます。 |
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| 越前陶芸まつり |

越前陶芸まつり陶器市 |

チャリティー焼物オークション風景 |
昭和56年に若手陶芸家のバザーから始まった「越前陶芸まつり」も「さつきあげ野点茶会」との合同開催で、毎年5月の最終土・日・月の3日間開催され、県内外から期間中約10万人の人出でにぎわいます。
まつりの中心は何といっても、県内の50の窯元が出店する陶器市で、約100張りのテントが軒を連ねます。また、陶器の展示方法や店のつくり方を工夫し、陶器をより魅力あるものに見せようと平成13年から「テント内レイアウト賞」が創設されました。これにより、陶芸家の方々は、展示方法や店のつくり方が審査の対象となるため、若手からベテラン窯元まで、思い思いの趣向をこらした店をつくり、店先での接客にも力が入ります。そのほか、子供やきもの展・青空ロクロ体験なども併せて行われ、12haの公園内が陶芸一色に染まります。さらに、中央の特設ステージでは歌謡ショー・郷土芸能発表のほか陶器市の出店窯元から提供された品物をせり落とす「チャリティ焼物オークション」も人気があり、それを目当てに来るお客様も少なくありません。
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炎の祭典・登り窯体験イベント |
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| 登り窯体験 |
見る・買う・触れるといった、一般の幅広い陶芸愛好家に対し、瀬戸の古い登り窯の形式を再現した「幻の登り窯」を使っての本格的な陶芸教室「炎の祭典・登り窯体験イベント」には、県内外から大勢の愛好者が参加しています。
成形・窯詰め・薪運び・窯焚きから展示まで一連の陶芸工程を参加者全員で行い、期間も6月から11月末までの6ヶ月間に及ぶ長期の体験イベントとなっています。中でも、参加者100名が交替で三昼夜にわたり焚き込む窯焚きは気持ちの集中する時で、まさに温度と時間との戦いです。一心に薪を焚きつづけ窯の中が見える小窓からは、1200℃以上の炎がオレンジ色から黄白色に変わる頃、その透きとおった空間は人の心を魅了します。
この企画は、自分で陶器を最初から最後まで作れ、期間も長く、また、オリジナル作品を作れるとあって、参加者からは大変な好評を得ています。 |
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| 陶芸を通じた新しい文化の創造と交流をめざして |

アメリカモンテパロ大学における
越前焼の実演 |
平成4年にアメリカアラバマ州、ニューヨーク州などの美術館において越前焼展を企画し、海外の各美術館において大変な反響を得ました。これは、越前陶芸協会が働きかけたもので、協会のメンバーの知人を介して実現したものです。
また、アラバマ州モンテバロ大学において越前焼レクチャーや伝統のネジ立て技法のデモンストレーションを行い、焼物に対して大きな関心が寄せられ、海外から長期の陶芸研修を受け入れるなど陶芸による国際交流が深まっています。その他、「越前陶芸太鼓」のメンバーが同大学において太鼓演奏を披露するなど、陶芸以外での交流も行われています。
この太鼓は、青年たちが中心となって引き継いでおり「だいずり」という独特の演奏法が特徴です。
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| 今後の課題および展望 |
「越前陶芸まつり」は、村内外の方々に広く認知されてきていますが、今後は、焼き物の魅力をさらにアピールし、越前焼の振興を図っていく企画を考えています。平成14年には、「ユニークな器展2002」を開き、全国の愛好家の出品を呼びかけ、独自性あふれる作品を募集し、底辺の拡大を図ります。これを機に、焼き物の新たな可能性を追及できればと考えています。
また、最近の不況の影響から、陶芸村の年間入場者数が減少しつつあり、越前焼をもっとアピールするため、伝統工芸品の組合が、陶器や和紙、漆器を現代生活に合うインテリアにデザインし、共同でブランド化する「新・越前屋」企画を提案しています。
人材の育成も課題の一つであり、小中学校、保育園への出前陶芸教室を行い、また、陶芸教室を開催し、小中学生や村内の参加者も増え、「焼物の村」としての村民への浸透が広がっていますが、今後も、若い時に陶芸文化に親しんでもらい、楽しみながら、継続的に、焼物などに触れるような取組みを行い、村の活性化につなげられたらと思います。
国際交流については、越前焼の古い伝統文化とアメリカに広がる新しいアート(芸術)の世界(アメリカでは、陶芸を芸術の一部としています)とお互い影響し合えるような交流を目指し、陶芸以外でも地域の文化交流などを継続して行っていけることを願っています。
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